プロジェクト管理ツール比較
プロジェクト管理ツールのAI機能比較:無料で使えるのはどこまでか
結論:AI機能は、無料プランにはほぼ無い
プロジェクト管理ツールを選ぶとき、「AI機能があるかどうか」を基準に挙げる人が増えている。ただし主要7ツールを公式ページで確認する限り、無料プランでAI機能を制限なく使えるものはない。多くは上位プランに含まれるか、追加のクレジット課金として積み上がる。
7ツールを並べると、AIの提供方法は大きく3つに分かれる。
1. 上位プランに込みで提供される(Asana、monday.com、Notion、Backlog、Microsoft Planner)
2. 有料プランなら自動的に有効になる(Jira/Atlassian Intelligence)
3. ベースプランとは別に、追加料金のアドオンとして売られる(ClickUp)
さらに、1と2の一部は「クレジット」という消費型の課金がベースの月額に重なる。1ユーザーあたりの月額だけを見て予算を組むと、AI機能を使い始めた月に想定より費用がかさむ。
比較表:AIがどのプランから使えるか
価格・提供条件は各社の判断で変更される。上表の数値は2026年8月7日に各社公式ページで確認したものであり、最新の条件は末尾の出典一覧のURLで確認できる。
比較表:AIがどのプランから使えるか
| ツール | ベースの無料プラン | AIが使える最初のプラン | 月額の目安 | AIの課金方式 |
|---|---|---|---|---|
| Asana | Personal(AI機能なし) | Starter | 10.99ドル/ユーザー/月(年払い) | プラン内包・クレジット制(月5万クレジット/請求先アカウント) |
| monday.com | Free(AI機能なし) | Basic | 1,300円/席/月 | プラン内包・クレジット制(月1,000クレジット/席) |
| Jira(Atlassian Intelligence/Rovo) | Free(AI機能なし) | Standard | 公式ページから単価を確認できず | 有料プランで自動有効化。クレジット付与量は非公開 |
| Microsoft Planner | 基本版(Microsoft 365に含まれる。AI機能なし) | Planner and Project Plan 3、Plan 5、またはMicrosoft 365 Copilotライセンス | 30ドル/ユーザー/月(Plan 3・年払い) | プラン内包(Copilotへのアクセス) |
| Notion | フリー・プラス(体験版の限定機能のみ) | ビジネス | 3,150円/メンバー/月 | プラン内包(フル機能) |
| ClickUp | Free/Unlimited/Business(体験版のみ) | Brain AI(追加オプション) | ベース料金+9ドル/ユーザー/月 | ベースプランに追加料金を上乗せ・クレジット制 |
| Backlog | フリー〜スタンダード(非対応) | プレミアム | 27,000円/月(スペース定額) | プラン内包・クレジット制(月2,000クレジット/スペース) |
この記事の編集基準
掲載した7ツールは、当サイトの別記事「プロジェクト管理ツール比較」で扱った7製品と同じ顔ぶれに、国産ツールの動きとしてBacklogのAI機能の情報を加えたものである。掲載順は評価の優劣ではなく、AIの提供方式(内包型・自動有効化型・アドオン型)で説明しやすい順に並べている。本記事にアフィリエイトリンク・紹介料・掲載料は一切ない。価格・機能の記述は、各社の公式ページで確認できた範囲に限定している。公式ページから確定した数値を読み取れなかった項目(JiraのAtlassian Intelligenceの1ユーザー単価、Rovoの月間クレジット付与量)は、断定せずその旨を明記する。
Asana AI Studio:クレジットは請求先アカウント単位
Asanaの無料プラン「Personal」にAI機能は含まれない。AI Studio Basicが使えるのはStarter以上で、月額は年払いで1ユーザー10.99ドル(月払いは13.49ドル)。Advancedは年払いで24.99ドル(月払い30.49ドル)、Enterpriseは要問い合わせとなる。
AIクレジットはプランごとに、ユーザー単位ではなく請求先アカウント全体に対して月間の上限が設定されている。Starterは月5万クレジット、Advancedは月7.5万クレジット、Enterpriseは月20万クレジットである。チーム全員の利用が同じプールを共有する設計のため、AIを使う人数や頻度が増えるほど、上限に達するタイミングが早まる。公式ページにはAI Studio Plus・AI Studio Proという上位の追加オプションの存在も記載されているが、具体的な金額は確認できなかったため、本記事では扱わない。
monday.com:クレジット数がプランごとに刻まれている
monday.comもFreeプランにAI機能はない。Basicから使え、席あたり月額1,300円でAIクレジットは月1,000。Standardは席あたり月額1,650円で月2,000クレジット、Proは席あたり月額3,200円で月3,000クレジット、Enterpriseは要問い合わせでクレジット量もカスタムになる。
上位プランほど月額だけでなく、使えるAI機能の種類(AI議事録作成、AIカラム、AIワークフロービルダーなど)も広がる設計である。クレジットは機能ごとの消費量が異なるため、同じ1,000クレジットでも、どの機能を主に使うかによって実質の利用可能回数は変わる。運用開始前に、自分たちが使いたい機能がどのプランから対象になるかを公式ページの機能一覧で個別に確認しておく必要がある。
Jira/Atlassian Intelligence(Rovo):有料プランなら自動で使えるが、単価は公開されていない
JiraのAI機能はAtlassian IntelligenceおよびRovoという名称で提供されている。他の6ツールと違い、これは独立した製品として別料金で売られているのではなく、Standard・Premium・Enterpriseのいずれかの有料プランであれば自動的に有効化される、と公式ページに明記されている。Freeプランでは利用できない。
一方で、公開情報には限界がある。JiraのStandard・Premiumプランの1ユーザーあたりの月額料金は、座席数に応じた段階的な計算方式になっており、公式ページから確定した単価を読み取ることができなかった。Rovoの月間クレジット付与量についても、公式ドキュメントに具体的な数字の記載はなく、実際の消費量は管理画面の「Platform usage」で確認する方式になっている。第三者の解説サイトにはユーザーあたりの単価やクレジット数を具体的な数字で示しているものがあるが、公式で裏づけが取れないため、本記事には書かない。座席数に応じた見積もりは、公式の料金計算機で確認するのが確実である。
Microsoft Planner:Copilotには3つの入り口がある
Microsoft 365に含まれる基本版のPlannerに、AI機能は含まれない。有料版はPlanner Plan 1(年払いで1ユーザー月額10ドル)、Planner and Project Plan 3(同30ドル)の構成である。
Copilot in Plannerを使うための条件は、公式サポートページに明記されている。「Planner and Project Plan 3」「Planner and Project Plan 5」「Microsoft 365 Copilotライセンス」のいずれかを保有していれば、Copilot in Plannerの機能をプレビューできる。Plan 1だけでは対象にならない。これらのライセンスがない場合でも、アプリ内のアイコンから30日間の無料トライアルを申請できる。Microsoft 365 CopilotはPlannerとは別のアドオンとして年払いで1ユーザー月額30ドルの表示もあり、Plannerの有料プランを持たない組織がCopilotだけを追加する経路としても使える。
Notion AI:フルの機能はビジネスプラン以上
Notionは2026年に入り、AI機能の提供方針を変えた。フリー・プラス(年払いで1メンバー月額1,650円)では、ドキュメント生成やデータベース自動入力といった「体験版」の限定機能しか使えない。フル機能はビジネスプラン(年払いで1メンバー月額3,150円)から解放され、Notionエージェント、AIミーティングノート、エンタープライズサーチ(ベータ)が使えるようになる。エンタープライズプランでは、これに加えてLLMプロバイダーによるゼロデータ保持が提供される。
情報漏洩への配慮が必要な組織にとって、この「ゼロデータ保持」の有無はプラン選定の分岐点になりうる。AI機能を使うかどうかだけでなく、入力した情報がAIモデルの学習に使われない保証がどのプランから付くかも、確認しておく価値がある。
ClickUp Brain:ベースプランに上乗せする方式
ClickUpは他の6ツールと異なり、AI機能をベースプランに含めない設計を取っている。Free Forever、Unlimited(年払いで1ユーザー月額7ドル)、Business(同12ドル)、Enterpriseというベースプランには、体験版以外のAI機能が含まれない。AIを本格的に使うには、Brain AIというアドオンを別途契約する必要があり、月額は1ユーザー9ドル。上位のEverything AIは月額28ドルである。
ベースプランの料金にBrain AIの料金を単純に足すと、想定より総額が上がりやすい。たとえばBusinessプランの利用者がBrain AIを追加すると、1ユーザーあたりの月額はベース12ドルにAI分9ドルを加えた水準になる。見積もりの段階で、ベース料金とAI料金を分けて計算しておく必要がある。
Backlog AIアシスタント:国産ツールも2026年に追随した
日本のヌーラボが提供するBacklogは、2026年3月5日にBacklog AIアシスタントを正式リリースした。対象はプレミアム・プラチナプランで、スタンダード以下のプランでは利用できない。無償クレジットはプレミアムが月2,000、プラチナが月5,000で、使い切った場合はBacklog AIクレジットパック(月額税込9,900円〜)を追加購入する。
機能は、課題のステータスやコメント履歴をもとにした進捗の要約、課題・ドキュメントの横断検索と要約、参照元の文脈を踏まえた課題の作成・更新支援の3つである。Backlogの料金体系は本来1ユーザー課金ではなくスペース単位の定額(プロジェクト管理ツール比較で扱った通り、プレミアムは月額27,000円でユーザー数無制限)のため、AIクレジットもユーザー単位ではなくスペース単位で消費される。人数の多い組織ほど、1人あたりのAI利用コストは相対的に下がる設計になっている。
「クレジット制」という共通の設計に注意する
7ツールのうち5つ(Asana、monday.com、Jira、ClickUp、Backlog)が、なんらかの形でクレジットという消費型の課金をAI機能に組み込んでいる。これは、これまでの「1ユーザーあたり定額」というSaaSの課金モデルに慣れた発注担当者にとって、見積もりの立て方そのものが変わることを意味する。
固定費として予算化できるのはプランの基本料金までで、AI機能の実際のコストは利用量に応じて変動する。運用の初期は利用量を予測しづらいため、契約前に無料トライアルやトライアル期間中の消費量を見ておくと、本番導入後のクレジット超過を避けやすい。クレジットが尽きたときに自動で追加購入される設定になっているか、それとも上限で機能が止まる設定になっているかも、契約時に確認しておくべき項目である。
どう選ぶか
AI機能の有無だけでツールを選び直す必要はない。基本的な進捗管理やタスク管理の要件は、プロジェクト管理ツール比較で扱った5つの軸(組織規模と課金方式、開発手法、情シスの統制要件、既存の業務基盤、日本語サポートと契約形態)で先に絞り込むほうが確実である。
そのうえでAI機能を重視するなら、次の2点を確認するとよい。第1に、自分たちが使いたい既存ツールに、追加料金なしでAIが使えるプランがどこにあるか。第2に、そのプランのクレジット上限が、実際の利用規模に対して十分かどうか。すでに導入しているツールがあるなら、まずは自社が契約しているプランでAI機能がすでに使えるかどうかを確認するところから始めるのが、追加のツール導入より手間が少ない。
AIを使ってプロジェクトの実務そのものをどう変えるかという論点は、プロジェクトマネージャーのAI活用とAIエージェント時代のプロジェクトマネジメントで扱っている。
出典・参考
- Asana公式「Pricing」(AI Studio Basicの対象プラン・クレジット配分・各プラン料金)(2026年8月7日確認)
- monday.com公式「Pricing」(各プランの料金とAIクレジット配分)(2026年8月7日確認)
- Atlassian公式「Rovo Pricing」(Rovoの対象プランがStandard/Premium/Enterpriseである旨)(2026年8月7日確認)
- Atlassian公式「Jira Pricing」(1ユーザー単価はページから確定値を読み取れず)(2026年8月7日確認)
- Microsoft公式「Microsoft 365 Planner: Compare Plans and Pricing」(Planner各プランの料金)(2026年8月7日確認)
- Microsoft公式サポート「Frequently asked questions about Copilot in Planner (preview)」(Copilot in Plannerに必要なライセンス3条件)(2026年8月7日確認)
- Notion公式「料金プラン」(各プランの料金とAI機能の提供範囲)(2026年8月7日確認)
- ClickUp公式「Pricing」(ベースプラン料金とBrain AI/Everything AIの料金)(2026年8月7日確認)
- ヌーラボ公式プレスリリース「仕事の進め方を変える『Backlog AIアシスタント』を正式提供開始」(提供開始日・対象プラン・無償クレジット量・料金)(2026年8月7日確認)
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