PM人材育成
法人向けPM研修の選び方:形式・対象レベル・費用で外さない5つの軸
知名度と価格で選ぶと、受け直しになります
研修会社を選ぶ担当者が最初に見るのは、たいてい知名度と1人あたりの単価です。ところがこの2つは、研修が自社の課題に効くかどうかをほとんど教えてくれません。安く有名なところを選び、内容が浅くて中堅には物足りず、結局また別の研修を受けさせる。この受け直しが、いちばん高くつきます。
外さないための見方は、5つの軸に分けられます。研修形式、対象レベル、カスタマイズの可否、費用の比べ方、そして研修後のフォロー。順に見ていきます。
形式で、向き不向きがはっきり分かれます
同じPM研修でも、届け方が違えば効き方も変わります。まず形式を押さえると、候補を絞り込めます。境目は「その場の議論が要るか」「各自のペースで進めたいか」です。
PM研修の主な形式と、向くケース
| 形式 | 特徴 | 向くケース(費用の目安) |
|---|---|---|
| 集合研修 | 講師と受講者が同じ場で議論・演習する | 少人数で深く、ケース討議を重視したいとき(一人あたりは高くなりやすい) |
| オンライン(ライブ) | 遠隔で講師とやり取りする。移動が不要 | 拠点が分散、集合の日程を組みにくいとき(会場費がかからない) |
| eラーニング | 各自が好きな時間に視聴して学ぶ | 基礎を広く行き渡らせたいとき(一人あたりは安いが、演習や討議は薄い) |
対象レベルを外すと、内容が刺さりません
新任PM、中堅、PMOや管理職では、必要な中身がまるで違います。新任向けの基礎を中堅に受けさせれば物足りず、上級向けを新任に当てれば言葉が通じません。見落とされやすいのが、この噛み合わせです。
候補を比べるときは、カリキュラムがどの層を想定しているかを最初に確認します。自社が育てたいのは、初めて案件を任される人か、複数案件を束ねる人か。ここがずれていると、他の条件がどれだけ良くても刺さりません。
自社の事例に合わせられるかで、持ち帰り方が変わります
既製のカリキュラムをそのまま流すか、自社の案件や用語に合わせて組み替えるか。この差は、受講後の使いやすさに出ます。自社で実際に起きたトラブルを教材にできると、受講者は自分ごととして持ち帰ります。
ただしカスタマイズには、追加費用と打ち合わせの手間がかかります。全社の底上げが目的なら既製版で足りることも多く、特定部門の込み入った課題を扱うなら調整が要ります。どこまで合わせるかは、目的と予算で決めます。
費用は1人1時間あたりに直して比べます
見積書の総額だけを並べても、高い安いは判断できません。研修時間と受講人数がばらばらだからです。1人・1時間あたりの単価に直すと、はじめて横並びで比べられます。
コストを下げる制度も使えます。企業が計画的に行う研修には、国の人材開発支援助成金の対象になるものがあり、経費や賃金の一部が助成されます。対象コースや要件は年度ごとに変わるため、申請前に厚生労働省の最新情報を確認してください。
研修後のフォローがあるかも、選定の材料です
研修は受けて終わりにすると、数週間で元に戻りがちです。選ぶ段階で、受講後のフォローの有無を確認しておきます。現場のOJTと連動しているか、学んだ手法を実案件で試す仕組みがあるか。フォロー設計まで見積書に書く会社と、そうでない会社があります。ここは商談で聞けば分かります。
5つの軸を通すと、知名度や価格の順位が入れ替わることがよくあります。形式・対象レベル・カスタマイズ・費用・フォロー。この5つで候補を数社に絞ってから、比較に入る。研修選びは、そこから始めるのが確実です。
発注前に確認する5つの軸
- 1形式集合/オンライン/eラーニングのどれが自社に合うか。
- 2対象レベル新任・中堅・PMO層のどこを育てたいかと、カリキュラムの想定層が合うか。
- 3カスタマイズ自社の事例や用語に合わせて内容を調整できるか。追加費用も確認する。
- 4費用(実質)1人1時間あたりの単価で比較。助成金の対象かも確認する。
- 5フォロー研修後のOJT連動やフォローがあるか。
出典・参考
本記事の選定軸は、公開情報とPMアンカー編集部の整理によるものです。特定の研修会社・形式を推奨するものではありません。助成金など制度の要件は変更されることがあるため、利用時は所管省庁の最新情報をご確認ください。