PMO

PMO立ち上げの実務ガイド|最初の90日で何を出すかを30日刻みで設計する

解散したPMOの73%が挙げた主因

Michael Stanleighが2005年に750組織を対象に行った調査では、PMOを設置した組織の75%以上が3年以内にそれを解散させています。よく引かれる「PMOの平均寿命は約2年」という記述は、Aubryらの2010年の研究に由来します。どちらも20年前後前のデータで、現在の失敗率としてそのまま扱うことには批判もあります。ただ、解散の理由のほうは今でも読む価値があります。同じ調査で、解散した組織の80%が正式な事業計画を持たず、73%が失敗の主因に経営スポンサーの欠如を挙げていました。躓いたのは運用の巧拙ではなく、立ち上げの設計段階です。

実際、PMOを立ち上げてくれと言われたとき、多くの人がまず組織図と要員計画から手をつけます。ところが行き詰まるのは体制の不備ではありません。初期の数か月で何を出すかが決まっていないことです。人は配置されたのに成果物が定義されておらず、気づけば会議の設定と資料の取りまとめだけが仕事になっている。

以下は、ゼロから立ち上げる人が最初の90日で何を、どの順番で出すのかを手順にしたものです。扱うのは、ミッションとやらないことの定義、スポンサーの確保、権限の明文化、30日・60日・90日それぞれで出す成果物、効果測定の指標の置き方、そして現場から嫌われる典型パターンの回避策。PMOとは何か、支援型・管理型・指令型の違いといった前提は別記事で扱っています。型がまだ決まっていないなら、先にそちらを読んでください。

最初の90日の段取り

  1. 着手前ミッション、スポンサー、権限を固めるやることとやらないことを書いたA4で1枚の定義書、決裁権を持つスポンサーとの合意文書、3段階に分けて記述し関係部門に配布した権限文書の3点。ここが欠けたまま進めると、上げた論点が誰にも判断されずに滞留する。
  2. 1日から30日プロジェクトの棚卸しに徹する何も作らないと決める。成果物は全案件の一覧のみ。責任者に30分ずつヒアリングし、あわせて着手前の基準値を記録する。基準値を取れるのはこの期間だけ。
  3. 31日から60日最小限の標準を3点だけ入れる進捗の報告様式、課題とリスクの登録様式、会議体の整理。既存の様式のうち最も出来のよいものを土台にし、標準を1つ入れるごとに現場の手間を1つ引き取る。
  4. 61日から90日ポートフォリオを見える化し、判断材料を1件出す案件群を横に並べた1枚のビューにまとめ、PMOでなければ気づけなかった事実を選択肢とあわせてスポンサーに上げる。同時に次の90日の計画も出す。
組織図と要員計画から手をつけると、成果物が定義されないまま会議設定と資料の取りまとめだけが残る。

起点はミッション定義:何をするPMOで、何をしないPMOか

最初の成果物は組織図ではなく、1枚のミッション定義書です。ここに書くべきことは3つあります。解こうとしている問題、その問題が解けた状態の記述、そしてPMOが担わない範囲です。この3つ目が抜けている定義書は、実務ではほとんど機能しません。まず、解こうとしている問題は、できるだけ狭く具体的に言語化してください。「プロジェクト管理を改善する」では何も決まっていないのと同じです。納期の遅延が特定の部門に集中しているのか、進捗の判断基準がばらばらで経営が全体像を掴めていないのか。問題が違えば、90日で出すべき成果物も変わります。複数思いつく場合でも、最初の90日で取り組むものは1つか2つに絞るべきです。

そして「やらないこと」を明文化します。たとえば、個別プロジェクトの日々の課題解決には入らない、議事録作成は各プロジェクト側で行う、特定案件の要員手配の実務は担わない、といった具合です。これを書いておかないと、PMOは立ち上げ直後から周囲の困りごとの受け皿になります。断ることが毎回その場の交渉になり、時間の大半が調整で埋まる状態は、この一文がないところから始まります。コツは、やらないことを「今はやらない」と時期つきで書くことです。永久に拒否すると読まれれば反発を招きますが、「第2四半期以降に検討する」と書けば優先順位の話として受け止められます。定義書はA4で1枚に収め、以後すべての依頼をこの1枚に照らして判断します。

スポンサー確保:立ち上げの成否を最も左右する変数

PMOは現場に何らかの変更を求める役割です。報告の様式を変える、会議体を整理する、案件の優先順位に口を出す。いずれも現場から見れば自分たちのやり方への介入であり、受け入れてもらうには、それが誰の意思で行われているのかがはっきりしている必要があります。ここが曖昧だと、PMOは権限のないお願い係になります。

PMIのPulse of the Profession調査では、成果の高い組織の77%が積極的に関与する経営スポンサーを持つのに対し、成果の低い組織では44%にとどまるとされています。積極的に関与するスポンサーの存在は、プロジェクトが当初の目標を達成するかどうかを左右する最大の要因として繰り返し指摘されてきました。この構図はPMOの立ち上げにも当てはまります。

確保すべきスポンサーの条件は3つです。第1に、対象となるプロジェクト群の予算または要員配置に決裁権を持つこと。第2に、PMOの位置づけを公式の場で自ら表明する意思があること。第3に、月1回程度の定例で時間を取ってもらえること。名前だけ貸す役員はスポンサーではありません。判断を求めたときに判断が返ってくる相手を選んでください。

スポンサーとの初回の合意事項は書面に残してください。最低限、PMOのミッション、90日後に何を報告するか、判断できない事案をどのタイミングで上げるかの3点です。この合意がないまま始めると、90日後の報告の場で「そもそも何を期待していたのか」から議論が始まり、それまでの活動の評価が定まりません。

なお、スポンサーが決まらないまま立ち上げだけを指示される場合があります。ここから先の手順は、その状態では回りません。権限文書の第3段階を承認する相手がいないため、上げた論点が誰にも判断されずに滞留し、PMOは棚卸しと報告様式の整備までで止まります。その場合に先にやるべきは標準の設計ではなく、決裁権を持つ役員を1人見つけて合意を取ることです。見つからないなら、90日の計画を作る前にその事実を発注元に返してください。

権限の明文化:3段階に分けて書く

ミッションが決まり、スポンサーが決まったら、次は権限を文章にします。ここを曖昧にしたまま人を配置すると、PMOはプロジェクト事務局に吸収されます。権限は抽象的な言葉では書かず、行為の単位で3段階に分けて記述するのが実務的です。第1段階は、PMOが単独で決めてよいことです。報告様式の書式変更、定例会議の議事進行、標準テンプレートの改訂、横断課題の一覧への登録などが該当します。ここは相談なしに動ける範囲であり、PMOのスピードを決める部分です。

第2段階は、PMOが是正を求められることです。定めた報告期限を過ぎた案件に提出を求める、リスクが登録されていない案件に登録を求める、規模基準を超える案件に計画書の提出を求める、といった行為です。求める権利はあるが、従わない場合に強制はできない範囲だと明示しておくと、現場との衝突が読みやすくなります。

第3段階は、PMOが判断せずスポンサーに上げることです。案件の中止や延期の提案、要員の案件間移動、追加予算の要否といった、影響が組織の資源配分に及ぶ判断がここに入ります。上げる条件は、数値か事象で書いてください。「重大な遅延が見込まれる場合」ではなく「主要マイルストーンが2週間以上遅延した場合」と書けば、誰が見ても同じ判断になります。この3段階の文書は、スポンサーの承認を得たうえで関係部門長の全員に配布します。配布まで含めて権限の明文化です。文書があっても現場が知らなければ権限は存在しないのと変わらず、逆に配布さえ済んでいれば、以後の交渉は共有済みの文書に照らした確認として進められます。

最初の30日:プロジェクトの棚卸しに徹する

最初の30日は、何も作らないと決めてください。この期間の唯一の成果物は、現在動いているプロジェクトの一覧です。標準やテンプレートを作りたくなりますが、実態を知らずに作った標準はまず使われません。棚卸しで集める項目は、多すぎないほうが続きます。案件名、目的、責任者、開始と終了の予定、現在の状況、現時点で認識している最大の懸念、そして予算規模。この7項目で十分です。取得手段は、既存の資料を集めるより、責任者に30分ずつヒアリングするほうが確実です。資料は更新が止まっていることが多く、現場の頭の中にしか最新の状況がないケースが珍しくありません。

この30分のヒアリングには、一覧を埋める以上の意味があります。PMOが最初に接触するときに、報告を要求する側としてではなく状況を聞きに来た側として現れるかどうかで、その後の協力の得やすさが変わります。終わりには必ず「PMOに何を引き取ってほしいか」を聞いてください。挙がった要望が、次の30日で最初に手をつける候補になります。

棚卸しの結果は、その時点でスポンサーに一度共有します。多くの組織で、この一覧そのものが初めて作られる資料になります。案件がいくつ動いていて、合計でいくら使っていて、誰が責任者なのか。経営がこれを一目で見られる状態は、それ自体がPMOの最初の成果物として通用します。あわせて必ず記録しておきたいのが、現時点の基準値です。遅延している案件の数、報告様式の種類の数、定例会議の総時間、PMが管理業務に使っている時間の概算。後で効果を語るときに比較対象がなければ何も言えなくなりますが、着手前の値を取れるのは最初の30日だけです。

31日から60日:最小限の標準を3点だけ入れる

棚卸しが終わったら、標準の導入に入ります。ここでの原則は、最初に入れる標準を3点に絞ることです。具体的には、進捗の報告様式、課題とリスクの登録様式、そして会議体の整理。この3つ以外は90日を過ぎてから検討してください。まず報告様式は、既存のもののうち最も出来のよいものを土台にします。外部から持ち込んだ様式をゼロから押し付けると、現場は新しい書式を覚えることから始めなければならず、抵抗が強くなります。棚卸しの過程で「この案件の報告は分かりやすい」と感じたものがあれば、その責任者に許可を取って全社の標準にするのが最短です。作った本人が推進役になってくれるという副次的な効果もあります。

課題とリスクの登録様式は、項目を絞ることが定着の条件です。内容、影響、期限、担当者、状態の5項目で始められます。発生確率と影響度を掛け合わせた評点のような仕組みは、運用が定着してから足すべきもので、初日から入れると記入者が手を止めます。あわせて対象範囲も明示します。全案件に同じ様式を求めず、予算や期間の基準で適用レベルを分けてください。小さな案件にまで重い様式を課すと、書式を埋めるだけの作業が生まれ、報告の質はむしろ下がります。

会議体の整理は、標準の導入と引き換えに現場から何かを引き取るという原則を実行する場です。新しい報告様式を課すなら、既存の会議を1つ減らすか、時間を半分にするか、経営向けの集計と加工をPMOが全部引き受けるか。何か1つ、現場の手間を確実に減らしてください。増やすだけの標準は必ず形骸化します。

61日から90日:ポートフォリオを見える化し、最初の判断材料を出す

最後の30日で目指すのは、個別案件の管理ではなく、案件群を横に並べて見える状態です。ここまでの60日で一覧と標準様式は揃っているので、それを1枚のポートフォリオビューに束ねます。ここに載せる情報は、経営が判断に使えるものに限定します。各案件の状態、予定に対する遅れ、予算の消化率、そして全体を通じて共通して現れているリスク。案件ごとの細かい進捗は載せません。載せる情報が多いほど、経営の目は細部に吸い寄せられ、PMOに個別案件の説明を求めるようになります。それはPMOが横断的に見る役割から外れていく入り口です。

この段階で必ず1つ、判断を要する論点を提示してください。要員が2つの案件で重複して計上されている、優先度が最も低い案件に最も熟練した要員が張り付いている、複数の案件が同じ外部ベンダーの担当者に依存している。棚卸しと標準化を経れば、こうした横断的な事実は必ず1つは見つかります。見つけたものを、判断の選択肢とあわせてスポンサーに上げます。

この「最初の判断材料」が、PMOの存在価値を組織に示す最も確実な一手です。報告を集めて綺麗にまとめただけでは、PMOは集計係と見なされます。集めた情報から、PMOでなければ気づけなかった事実を見つけ、それを判断に変換した実績が1件あるかどうかで、90日後の評価は大きく変わります。そして90日を締めるときには、次の90日の計画も同時に出します。何が定着し、何が定着しなかったか。定着しなかったものは、様式を直すのか、対象範囲を狭めるのか、取り下げるのかを明示します。配って終わりにせず使われ方を見て直す姿勢を最初のサイクルで示すと、以後の導入が通りやすくなります。

「PMOが嫌われる」典型パターンと、設計段階での回避策

PMOが現場から歓迎されない状態には、いくつかの決まった型があります。個人の資質の問題ではなく立ち上げの設計に起因するものがほとんどなので、事前に潰しておけます。第1のパターンは、報告のための報告です。「対応中」「特に問題なし」といった、判断に使えない情報が並ぶ報告書が定期的に生産され、それを作る時間だけが消えていく状態を指します。原因は、報告の受け手が何を決めたいのかが定義されていないことにあります。回避策は、報告様式を設計する前に、その報告を見て誰がどんな判断をするのかを1文で書くことです。書けないなら、その報告は不要です。

第2のパターンは、二重入力です。PMが既に週次で部門長に報告しているのに、PMOが別様式の月次報告を求める。現場から見れば同じ内容を2回書かされているだけです。回避策は、棚卸しの段階で既存の報告経路を洗い出し、新様式を入れるときに置き換える対象を必ず指定することです。既存の報告を残したまま足せば、この問題は確実に起きます。

第3のパターンは、統制先行です。標準がまだ現場で使われていない段階で、遵守状況の監査やゲート審査から始めてしまうケースを指します。守らせるルールの中身が固まっていないのに確認だけが動くため、現場には手間だけが残ります。回避策は、統制の導入を、その標準が実際に使われている実績ができるまで待つことです。

第4のパターンは、指摘だけして解決策を出さないことです。PMOが問題を挙げるだけで対応をPMに丸投げすると、負荷を増やす存在としてしか認識されなくなります。回避策は単純で、問題を指摘するときは必ず選択肢を2つ以上添えると運用ルールで決めておくことです。選択肢を作れないなら、まだ指摘する段階にないと判断できます。

嫌われる4パターンと、設計段階での回避策

パターン現場で起きること設計段階での回避策
報告のための報告判断に使えない情報が並ぶ報告書が定期的に生産され、作る時間だけが消える様式を設計する前に、その報告を見て誰がどんな判断をするのかを1文で書く。書けないなら不要
二重入力既存の週次報告が残ったまま別様式の月次報告が加わり、同じ内容を2回書かされる棚卸しで既存の報告経路を洗い出し、新様式を入れるときに置き換える対象を必ず指定する
統制先行守らせるルールの中身が固まる前に監査やゲート審査が動き、手間だけが残る統制の導入は、その標準が実際に使われている実績ができるまで待つ
指摘だけで解決策なしPMOが問題を挙げるだけで対応がPMに丸投げされ、負荷を増やす存在と見なされる問題を指摘するときは必ず選択肢を2つ以上添えると運用ルールで決めておく
いずれも個人の資質ではなく立ち上げの設計に起因するため、事前に潰せる。

効果測定:定量化しにくい前提で、それでも指標を置く

PMOの効果測定が難しいのは、成果が間接的だからです。プロジェクトが成功したとき、その要因はPMの力量や市場環境にも分散しており、PMOの寄与だけを取り出すことは原理的にできません。この限界を認めたうえで、それでも指標を置く必要があります。指標がない活動は、予算削減の局面で真っ先に削られるからです。

現実的な考え方は、成果そのものではなく成果に先行する変化を測ることです。第1の層は標準の利用率で、標準様式で報告している案件の割合、課題管理表が更新されている割合、期限内に提出された割合などが該当します。PMOの活動と直結し、月次で取得できます。第2の層は意思決定の速さで、経営に上げた論点が判断されるまでの日数や、判断待ちで止まっている案件の数を見ます。第3の層が納期遵守率や予算超過率といったプロジェクトの結果です。

第3の層は、最初の90日の評価に使ってはいけません。プロジェクトの成果が変わるには、標準が定着し、次の案件が計画段階から新しいやり方で立ち上がるまでの時間が必要です。90日の時点で納期遵守率を問われても、変化は現れません。90日で示すのは第1の層と第2の層で、第3の層は1年単位の指標として最初に合意しておく。この切り分けをスポンサーと握っておかないと、早すぎる時点で成果を求められて活動が中断します。

数値化しにくい効果については、無理に数字を作らず、定性の記述を定量指標と併記する形が実務的です。経営が案件全体を1枚で把握できるようになった、要員の重複計上が判明した、といった具体的な出来事を、発生した事実として記録に残します。指標は毎月の推移で見せ、事実は四半期のまとめで見せる、という使い分けが機能します。

もう1つ、削減した手間を測るという手があります。廃止した会議の年間時間、統合した報告様式の数、PMが管理業務に使う時間の変化。30日目に取った基準値と比較できるのはこの領域であり、現場にとっての利点を最も直接的に示せます。PMOへの反発を抑えるうえでも、この指標は公開しておく価値があります。

効果測定の指標を3つの層に分ける

測る内容評価に使える時期
第1層:標準の利用率標準様式で報告している案件の割合、課題管理表が更新されている割合、期限内に提出された割合90日時点で示せる。月次で取得できる
第2層:意思決定の速さ経営に上げた論点が判断されるまでの日数、判断待ちで止まっている案件の数90日時点で示せる
第3層:プロジェクトの結果納期遵守率、予算超過率1年単位の指標。最初の90日の評価に使ってはいけない
参考:削減した手間廃止した会議の年間時間、統合した報告様式の数、PMが管理業務に使う時間の変化30日目に取った基準値と比較する。公開しておく価値がある
第3層を1年単位の指標として先にスポンサーと握っておかないと、早すぎる時点で成果を求められて活動が中断する。

90日後、手元にあるべき6点

ここまでの手順を実行すると、90日の終わりに次の6点が揃います。第1に、やることとやらないことを書いたミッション定義書。第2に、決裁権を持ち定例で時間を取るスポンサーとの合意文書。第3に、3段階に分けて記述し関係部門に配布した権限文書。第4に、全案件の一覧と30日目時点の基準値。第5に、報告・課題リスク・会議体の3点に絞った標準と、それが実際に使われている実績。第6に、ポートフォリオビューと、そこから導いた判断材料が1件。

この6点が揃っているかどうかが、90日時点での自己点検の基準になります。逆に、組織図が精緻で、テンプレートの種類が豊富で、しかしこの6点のうち権限文書とスポンサー合意が欠けているとしたら、その立ち上げは危うい状態にあります。古い調査ではありますが、PMOが解散した組織の多くが正式な事業計画を持たず、失敗の主因に経営スポンサーの欠如を挙げていたという事実は、この点検の重みを裏づけています。

順序を繰り返します。ミッションと権限を先に固め、次に実態を知り、そのうえで最小限の標準を入れ、最後に横断の視点で判断材料を出す。この順番を守るかどうかが、PMOが信用を得るか、便利な雑務担当に落ち着くかを分けます。PMOの信用は制度設計の精緻さではなく、現場が「これがあると助かる」と感じた実績と、経営が「これがないと判断できない」と感じた実績の積み重ねで作られます。なお、PMOの定義や3つの型といった前提を整理したい場合は、PMOとは何かを解説した記事を参照してください。標準として最初に配る帳票としてはWBSと課題管理表が扱いやすく、WBSの作り方については別途詳しく解説しています。

出典・参考

公開情報および各機関の一次情報をもとに、PMアンカー編集部が作成・更新しています。事実関係は出典を明記し、内容は定期的に見直しています。